2009年 05月 12日

感嘆詞大事

映画「GOEMON」とやらについて。

紀里谷さんの映像はとても好きです。究極の2Dって感じがします。
出てくる登場人物に人間が少ないところとか。
宇多田ヒカルの「sakuraドロップ」と「travelling」は特に名作だと思います。
ドイツのB級映画的なテーマや色合とか。

でも、時代物をちょっと現代風にいじって映像に凝った映画って、
経験上、クソ映画が多い。
たぶん、GOEMONもそんなもんなんじゃないかと思うのです。

何よりも一番気になるのは、
「絶景、絶景!」の台詞なんですなぁ。

元はといえば、「金門五山桐」という歌舞伎の演目の中で
石川五右衛門が寺の山門から満開の桜を見下ろして言うこの台詞。
「絶景かな、絶景かな。
春の宵は値千両とは、小せえ、小せえ。
この五右衛門の目からは、値万両、万々両」

これは単に目の前の風景の素晴らしさを大層に言っているのではなく、
大盗賊・石川五右衛門の「天下は俺のものだぜ!」という気分を豪快に表現していると
私は勝手に思ってます。
「かな」という感嘆詞は、確かに、とても芝居臭くて古臭い。
しかも、「絶景かな、絶景かな」という台詞は、あまりにも有名すぎる。
で、「かな」を取っちゃった脚本家の意図は、わからんでもない。

でもそのせいで、「絶景、絶景!」と叫ぶ五右衛門は、
ただ単に目の前の風景を「うひゃー、すげー!」と笑う存在にしかなれなかった気がします。
天下の大盗賊にもそれに見合う品格がなければならないと思うのですよ。

・・・って、映画見てもないのに、そのワンカットだけで
評価するのもどうかとは思いますがね、私。
TVでやるなら見ます。

ちなみに歌舞伎の「金門五山桐」はちゃんとみたことがありませんが、
歌舞伎の本を手に取り始めた頃に見た、三代目實川延若(じつかわえんじゃく)という役者の
石川五右衛門の扮装が、本当に素晴らしくはまっていて、
その他の役者の石川五右衛門が貧相に見えて仕方がありません。
実際には三代目はあまり芝居が上手くなかったと聞きますが、
浮世絵の大首絵のような外見は、それだけで歌舞伎役者として十分な魅力だと思います。

んー・・・書いてみて思ったが、私が石川五右衛門にヒーローを求めすぎているだけみたい。
「居るだけで存在感!」というヒーローを。
そういうキャラは若い監督さんじゃ作り上げにくいかもな・・・。
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by pocket-xiao | 2009-05-12 02:40 | 雑言タハゴト


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