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2011年 11月 20日

11.13 新橋演舞場

そのひ二軒目のお芝居へ。
こちらは日舞のお稽古場のお付き合いにて。
出演者の事務所からみでの席なので、花道に近い良い席でした。
前日そこそこ寝ていたのですが、ものすごく集中力の無い日で、
3演目の内、最初の2つは所々寝てました。
や、つまんないとかそういう理由の前に、単純に眠かった。

最後の「髪結新三」、期待してなかったのだけど、
話自体面白かったのに加え、菊五郎親子の芝居がえらく良かった。
ヤクザ風情の髪結い職人とその子分が、商家の娘をかどわかして、
返す返さないでドタバタの中、仲介に入った髪結いの住む長屋の大家が
商家からの礼金を丸儲けをするのか?みたいな、
オチがよく分からない話ではあったのだけど、面白かった。
江戸時代の任侠なんて、もちろん見たことはないけど、
きっとこういう人で、こういう言葉を使って、
こういうふうに立ち居振る舞いをするのかもね、
って思うくらい、キャラが馴染んでいた。
菊五郎の後ろには書き割りじゃない江戸時代の町並みが見えた気がしたものナァ。

その髪結いの長屋に、居候みたいに住んでいる子分役を菊之助がやっていて、
セリフも少なくて、動きも少ないのに、存在感がすごすぎて、
長屋のシーンは菊之助ばっかり見ていた。

髪結いと大家が言い争っている中では、2人をじーっと見てるだけ。
たまにお茶を出したり、煙草盆運んだり、喧嘩のきっかけで立ちあがったり、
それだけ。あとはひたすら「見ている」。
その見ている眼光が鋭くて、アァいうのを「蛇みたいな野郎だ」と言うんだろう。
見ているだけの演技がこんなに気持ち悪い役者もすごいな、と。
芝居内の彼は確実に「ならず者」であって、世間からは嫌われ者であろうが、
妙なかわいらしさも持ち合わせていて、魅力的な人物だった。

菊之助は最近外れがない。
去年見た、義理の息子をひたすら慕い続けて嫉妬に狂う後妻を演じたのも、
気持ち悪いくらい真に迫っていて良かった。
世間は役者でも海老のつく人ばかりを取り上げるが、
同年代のこの人の芝居力はすごい。
来月は平成中村座にゲスト出演。楽しみ。

by pocket-xiao | 2011-11-20 00:06 | 雑言タハゴト


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