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2011年 11月 23日

家元

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落語家の立川談志師匠が21日に亡くなっていたことが、
今日になって発表されました。
公演も全部キャンセルしてるし、遅かれ早かれ、ではありましたが。
残念なことです。
おっきな存在が、なくなったなァ、と。

落語聞き始めの頃は、家元の噺は強すぎて、そんなに好きではありませんでした。
分かりやすい笑いとか、そういう感じじゃなかったので。
で、たぶん社会人になってから、改めて昔の映像を見て、
たぶん「芝浜」だったと思うんだけど、
もうそれはそれは素敵で、登場人物の心の描写が緻密なことに感動して、
一気にはまった次第。

リアルと言うか、自分と聞いている人の心をエグるように話している、に近い。
命削って話してるよな、って思う時がある。
だから、家元の人情話は、誰のものとも違い、格段に良い。
そしてどうでもいい楽しい噺をしているときは、子供みたいにはしゃぐ。
昔の話には、特に昔の芸人の話をするときは、愛情であふれている。
政治の話とか、理不尽なことについての話をしてる時は、本気で怒る。
感情豊かすぎて、疲れないのかと思ってしまう程。

家元の発する言葉が大好きで。格言的なものが。
「人生、成り行き」
「勝手に生きるべし」
「トイレであろうが俺が話すところが神殿」
「幸せの基準を決めよ」
「酒は人間をダメにするのではない。人間がダメなものだと確認させる為に酒は存在する」
「未来とは修正できると思っている過去」
その中で、私が最も好きなのが、
「人生たいしたことは無い、心配することは無い」
これ。私の手帳には、家元が書いたこの言葉の千社札が入っている。
こういう心持で毎日過ごすようにしないと、私は時に潰れそうになる。
だから、身近に持っている。お守りみたいなもの。
家元の言葉は、我儘で俺様で乱暴で感情的であるが、
生き生きしていて、キラキラしていて、私は好きだ。
ちなみに私の文章に時に出てくる「なァ」は、家元の文章のパクリである。
柔らかくってね、好きなの。

最後に家元の噺を聞いたのは、2年半ほど前の名古屋での一門会。
この日はやたらと機嫌が悪く、噺の内容(ネタ選びもクオリティも)は酷いものだった。
なんとかもう一度、元気な家元の話を聞きたいなァと思っていたが、
結局その後、突発的な出演しかなかったみたいで、巡り会うことが出来なかった。
それでも、去年の春だったかな、根津のお祭りに行った時、
フリーマーケットをやっている家元を見た時は、元気そうで安心した。

寂しいなァ。もう家元が居ないなんて。
あの出囃子と、深緑に三段松の紋付、袴、丁寧なお辞儀、
出からドキドキさせる、どの姿も大好きでした。
談志とは、炎のごとく志を言(語)る、という意味らしい。
本当に名前に恥じない、名を体現した、良い落語家でした。
志ん朝、円楽(先代)、談志と、昭和の名人がもう居なくなってしまった。
本当に、これで落語界の昭和が終わってしまった。
私の自慢は、この3人全て、生で落語を聞いたことである。

とりあえず今日は、明るい噺でも聞いて、笑ってみようと思う。
家元が元気だったころの、勢いのある噺を。
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by pocket-xiao | 2011-11-23 22:22 | 今日ノ出来事


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