2004年 09月 16日

梨園シリーズ1:中村雀右衛門

通称ジャッキ-は御年84歳でゴザイマス。
今の歌舞伎界では女形の最高峰になるのでしょう。
一度だけ!素顔のジャッキーを目の前で見たことがあります。
とても小柄な方でした。私が言うんだから、確か。
真っ白な上下のスーツをお召しのジャッキー・・・
ちょっとびびりました。

歌舞伎を見始めて間もなくの頃。
「妹背山女庭訓(いもせやまおんなていきん)」
というお芝居をTVで見ました。
ジャッキーは田舎娘の「お三輪」を演じていました。
 お三輪は隣家に越してきた求女(もとめ)という男性に恋をします。
 実は求女は高貴な身分で、橘姫という許婚がいました。
 それを知ったお三輪は嫉妬に狂い、
 しかも求女の家来に刺されてしまいます。その家来が言うには・・・
 求女の失脚を狙う黒幕を討つためには
 嫉妬に狂う女の血が必要、そなたは求女のために死ぬのだ、と。
 それを聞いてお三輪は言います。
 
 「あなたのおためになることなら、死んでも嬉しいかたじけない・・・」

 そして薄れていく意識の中で
 「もう目が見えぬなつかしい、恋しい恋しい・・・」
 といいながら、ついに死んでしまいます。

話の内容、台詞、むせび泣くような義太夫の語り、
そしてあまりにも可愛らしく、いたいけでかわいそうなお三輪。
それを演じるジャッキー。
歌舞伎を見て、心から泣いたのはこれが初めてでした。

残念ながら、他の役者さんのお三輪を見たときは、
全然心に来るものがなかったんです・・・。
そして・・・オソラク・・・
この先ジャッキーのお三輪を生で見ることもないでしょう。

三省堂「歌舞伎ハンドブック」(1996年版)によると
やはりお三輪はジャッキーの当たり役なんだそうな。ナットク。
[PR]

by pocket-xiao | 2004-09-16 01:56 | いとし、しほらし、かはいらし


<< 嫌いなモノ:「ほらー」系      happy!?Monday >>