2006年 04月 25日

時代の遷り変わりかねぇ

円楽さんが笑点降板とともに落語家としても現役引退だと。
「固有名詞が出てこなくなった」
というのを大きな要因だとしている。
これ、実は落語家、落語界にとっては大変に重要なことで、
というか、ある人をきっかけにそうなったのだけど、
今回の円楽さんの引退理由を聞いて、
ちょっとした事情通なら、誰もがその人のことを思い出したに違いない。

その人は八代目・桂文楽という、昭和の名人の一人で、
とにかく「正確に演じる」。
名前、地名、言葉遣い、言い回し、間、など。
違う場所で演じた同じ話を比べると、
秒単位で一致するという正確さだそうな。
その名人が、ある日の高座で、人物の名前が出てこなくなり、
しばらく沈黙してから
「勉強し直して参ります」
と頭を下げて高座を降り、その後二度と高座に上がることなく亡くなりました。

これを、円楽さんはすごく身近に見ていたと思うし、
だから自分の身に同じことが起きるのを恐れるのは仕方ない。

一般には笑点の司会のイメージが強いので、
落語家としての円楽さんて認識薄いかもしれないけど、
あの大きな体と顔で表現される話は、実におおらかな、心地よいものでした。
もともと頭の良い人だから話に説得力が出る。
その上、女の人を演じるとみょーに色っぽい口跡だったりする。

円楽さんは現役引退ですが、ここ数年で名人上手が随分と亡くなりました。
東京では小さん、志ん朝、文治、柳昇。
上方では文枝、枝雀。
みんな大好きでした。
私は実にちょうどいい時代に昭和の良い芸能に触れていたようです。
まだ談志がねばっているうちは、昭和が続いている気分かなぁ。
[PR]

by pocket-xiao | 2006-04-25 01:05 | 今日ノ出来事


<< 地方格差      oyasumi >>