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2007年 01月 21日

殺陣と銃撃戦

土曜日に見た、ベルギー発の舞台の中に、
「立ち回り」(殺陣)に近い動きがあって、「ほぉ。」と思った。
アメリカ発のミュージカルやヨーロッパ生まれのシルク・ド・ソレイユとか
それに模したその他の似たようなショーとか、
ヨーロッパのクラシックであるところのオペラでも、
そういえば、いわゆる「立ち回り」というのは見たことがなかった気がする。

*追記:アメリカのミュージカルでは喧嘩のシーンは見るかな。
     でも”大勢でわっ”という感じのような気がする・・・。
     ここでいう「立ち回り」は
     「ひとりひとりの体の動きが明確で、
     観客の目がその一点(またはひとり)の動きに集中され、
     その個の動きの連続で構成される集団喧嘩」とでもしてください。
     めんどくさい言い方ですんません・・・。

*また追記:フェンシングはヨーロッパですかね?
        ベルバラ的なヨーロッパ貴族がサーベルで決闘している図がふとよぎった。

日本のクラシックであるところの歌舞伎や、
それがぐっとくだけた大衆演劇、
または中国のクラシックであるところの京劇には、
そういえば、立ち回りのシーンがたくさんある。
TVの時代劇なんて、その最たるものでしょ。

んー、この差はなんだろう?と考えたら、
「欧米、特にアメリカにおける銃社会」
「日本・アジアに古くからある、柔道や剣道や各種拳法」
というところに行き着くしかなかったです。

そういう歴史的とも言えるような違いがあって、
その上でいろんなショーや映画が作られているわけです。

ハリウッド映画と日本の時代劇を例に挙げてみるとですね、
大きな違いとしては、武器が違うわけですよ。
片や飛び道具、片や日本刀(中には火縄銃も出ますけど)。
相手に肉薄しなくても、相手を殺すことが出来る銃では、
「ひと対ひと」の動きをそんなに計算しなくてもよかったんじゃないかと。
もちろん「弾を当てる」ことが前提なので、
距離とか角度というものに関してはよーく考えているのだと思います。
それに対してチャンバラというのは、接近戦、なわけですから
ひとの動きがすごく重要になってくるわけです。
そりゃチャンバラと実際の果し合いでは勝手が違いますが・・・。

日本映画・ドラマも刑事ものでは銃撃戦がよくありますが、
大元はアメリカ映画にあったんだと思います。技術輸入したわけです。
じゃぁ逆は・・・?
たぶん細々とはJapanese Chanbaraは技術輸出されていたとは思います。
最近大々的に出たのは、「ラストサムライ」。
トムクルーズをめぐる立ち回りは実に酷かった・・・。安っぽい。
アメリカ人か、日本人か、どちらが演出したかは知りませんが、
「立ち回り」ではなくただの「戦闘シーン」という目で見ても、あれはかっこ悪いって。
数々のアクションヒーローを演出してきたハリウッドが、
変に日本を意識したがために、酷いものを作ってしまった、という感じ。

本来書きたい事とちょっとずれてきてしまってます(焦)。

本来書きたかったのはですね、
「アジア人は 立ち回りを芸術に昇華させることに一生懸命になった 民族である」
ということなんですよ。
歌舞伎や京劇の立ち回りは、本当に、芸術ですよ。
(いままでこれについては2,3の記事を書います。どこかで。)
道具を含めて、体の動きが全て計算されている、見え方が計算されている。

歌舞伎では立ち回りの中にもいろんな種類があって、
かなりアクロバティックなものもあります。
もはや「戦闘シーン」ではなく、「主人公がどんだけ強いか」を見せつけるための
シーンであって、「あんなんじゃ戦えないよ!」という感じですが、
もうカタチとして美しいので、見ているほうは「すごい!」と思うわけです。
松竹がそういう歌舞伎アクロバット部隊を編成して演出をつけて
海外公演したら、たぶんね、すごい当たるよ?
きっと相応な演出家が居ないんだと思う。勿体無い。

ちなみに私が今まで見た中でもっとも秀逸な立ち回りは
市川猿之助「スーパー歌舞伎・三国志Ⅲ」の中のワンシーン。
その他猿之助主演・演出の歌舞伎の立ち回りは古典も含め素晴らしいものが多い。
茶碗と土瓶を持ったまま立ち回る、通称「おまんまの立ち回り」(古典)は
可笑しくて、素晴らしくて、泣くほどウケた。

追記:寄席でごく稀に演じられる「喧嘩踊り」というのも素晴らしい。
   お座敷踊りで「かっぽれ」というものがありますが、
   普段ひとりで踊るもの(または集団で同じ踊りをするもの)ですが、
   2人、3人で踊る場合には立ち回りを含めた
   「喧嘩踊り」というバージョンがあります。

日本人は立ち回りをかっこいいと思う遺伝子が組み込まれていると思う。
子供の頃から無意識に見ているでしょ。
戦隊もの、ヒーローもの、なんちゃらレンジャー。
あれも全部、立ち回りだから。
アメリカ生まれのスーパーマンやスパイダーマンは
空を飛ぶことができないキッズショーじゃ限界があるけど、
レンジャーや仮面ライダーはキッズショーでも出来るしね。
そういう文化の広まり方も、日本独特なのかもしれない。

そういうわけで、土曜日に見たベルギー発のショーで、
「立ち回り」っぽい部分があったというのは、私には結構、画期的だったわけです。
(やっとここまで来た・・・)
立ち回りは、文化として、もっとたくさんのパフォーマーに愛されてもいいと思います。
世界規模でね。

このテーマで論文1本書けそうだ。
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by pocket-xiao | 2007-01-21 02:52 | 今日ノ出来事


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