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2011年 11月 18日

11月13日 平成中村座

一時期スケジュール把握能力が低下してたらしく、
先週は予定をかぶせまくってしまい、どしましょ!という事態でした。
未定だった予定が自然減したりして、
結局は丸く収まったので、まァ良し。
スケジュール帳の切り替えしたから、のせいにしたい。

でもって日曜日はお芝居の梯子でした。
浅草で昼の部を見て、新橋で夜の部を見るという。
これも何も考えずにチケット取ったらこうなってた。
もろかぶりじゃなかったことだけが救い。

浅草の、隅田川沿いに小屋掛けをしてロングラン公演が始まった平成中村座。
隅田川を挟んだ向こうにスカイツリー。不思議な感じ。
江戸の芝居小屋を模した劇場の後ろに、超高層建築物があるという妙。
もちろんそれ計算ずくでしょうけど。

「お祭り」という歌舞伎舞踊が最初のお目当て。勘三郎の鳶頭。
鳶頭がお祭り明けでほろ酔いの状態で歩いている中、
次々に喧嘩をふっかけてくる輩をなんとなくいなしていく、というだけの踊り。
ほんと、フラフラしているだけなんだけど、魅力的なんだから不思議。
踊りの最後には中村座名物の、舞台後ろを全開にしての演出で、
背景には隅田川とスカイツリー、そこへ千鳥足で勘三郎が歩いて行こうとして、
「おっとここは何だい、いつもと風景が違うね」みたいな感じで帰ってくる。
かわいいったらもうー。

昼の部最後が「義経千本桜」の「大物浦」という段。
源平合戦の中でも、平知盛が義経に敗れて入水するという重要な話。
この段には特別な思いがあるのですよ。
1998年に歌舞伎座で見た「大物浦」が、息をのむくらいすごい迫力で、
そこから真面目に歌舞伎を見るようになった、そういうきっかけとなった演目。
知盛の「死に際」が凄まじくて。
殺し以外であんなにインパクトの強い死を描くお芝居を、あまり知らない。
形で演じるタイプの役者には、絶対に征服できない役柄。
心の底から黒い炎でも燃やさないと、やり切れない役柄だと思う。

その知盛を、この人の芝居のセンスは抜群に良いのは分かるけど
どちらかというと線の細い、色男風情の片岡仁左衛門がやるというので、
どんなもんになるのかなぁと思って。
いたのだけど、最初の出の仁左衛門があまりにも素敵すぎてカッコよすぎて、
納得するに最初の5秒で十分だった。
もともと長身なところに高下駄をはいて、
着流しの上に羽織った長着をぶわーってなびかせながら花道を歩く姿は、
それだけで劇場全体を納得させる存在感があったもの。

最後の入水のシーンは、私の中のハードルが上がっていることもあって、
大満足ではなかったけど、この後このまま劇場を出ることを考えると、
これ以上重くされてもねぇ、というところでちょうど良い加減だったのかもしれない。

今回は2階席でしたが、12月は1階席が当たったようです。
12月がこれまた私には思い入れの強い「関扉」という歌舞伎舞踊がかかる。
私がコスチュームチェンジのマジックを不思議と思わない要因は、
この踊りの中の衣装替えがあまりにも完成度が高いから、だから。
で、1月もチケット取れたっぽい。
1月はこのほかにテアトル銀座の歌舞伎で、「史上最高に泣いた演目」がかかります。
平成24年は松竹さんにどれだけお金払うんだろ、自分。

次回記事、新橋演舞場夜の部。
これまた良かったんだなー。

by pocket-xiao | 2011-11-18 01:01 | 雑言タハゴト


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